運用が破綻する前に見直そう。WordPressのテンプレートファイルにコンテンツを書かないほうがいい理由

WordPressでサイトを作成するとき、page-***.php のようなテンプレートファイルに直接コンテンツを書いてしまうケースをよく見かけます。

しかし、これはWordPressの本来の使い方から大きく外れており、管理や運用の面でさまざまな問題を引き起こします。本記事では、その理由を詳しく解説していきます。

目次

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1. WordPressはCMSであり、テンプレートはコンテンツを書く場所ではない

WordPressは「コンテンツ管理システム(CMS)」です。テンプレートファイル(page-***.phpなど)は、コンテンツのレイアウトやデザインを制御するためのものであり、直接コンテンツを書くためのものではありません。
もしテンプレートファイルにコンテンツを書いてしまうと、WordPressをCMSとして活用する意味がなくなり、手作業で管理する静的サイトと変わらない状態になってしまいます。

2. 更新や修正が困難になる

テンプレートに直接コンテンツを書くと、ちょっとしたテキスト修正のたびにPHPファイルを編集する必要が出てきます。たとえば、「1文字だけ修正したい」という場合でも、開発者がPHPファイルを開き、修正し、アップロードするという作業が必要になり、運営側では簡単に変更できません。
その結果、以下のような問題が発生します。

  • 運営担当者が更新できない → Webの知識がないと、ちょっとした変更も依頼しなければならない。
  • 修正に時間とコストがかかる → 変更のたびに開発者とコミュニケーションが必要になり、運営のスピードが落ちる。
  • 誤編集のリスクがある → PHPファイルを触るため、コードを壊す可能性がある。

3. 管理が煩雑になる

テンプレートごとに個別のPHPファイルを作成していくと、「どのコンテンツがどのファイルにあるのか」が分かりにくくなります。変更したい箇所を探すのに時間がかかり、共通部分がある場合でもすべてのファイルを修正しなければならない、という事態が発生します。

さらに、テンプレート内に直接コンテンツを書くと、リニューアル時のコンテンツ移行が非常に手間になります。通常ならデータベース内の投稿や固定ページを移行するだけで済むはずが、テンプレートファイルに散らばったコンテンツを手作業で拾い集めなければならなくなるのです。

4. バックアップ・復元が難しくなる

通常、WordPressのコンテンツのバックアップはデータベースのエクスポートを取ることで済みます。しかし、コンテンツがテンプレートファイルに書かれていると、バックアップの際に「どのファイルにどのコンテンツが書かれているのか」を把握するのが困難になります。
復元の際も、データベースを戻しただけではコンテンツが復活せず、テンプレートを手作業で修正する必要が出てきます。

5. アップデート時の不具合・セキュリティリスクが増す

テンプレートファイルにコンテンツが埋め込まれていると、WordPress本体やテーマ、プラグインのアップデート時に、エラーや不具合が発生した際の対応が困難になります。修正すべき箇所が増え、セキュリティアップデートにすぐ対応できない状況が生まれる可能性もあります。
特に、セキュリティ修正が含まれるアップデートをすぐ適用できないのは、大きなリスクになります。

6. カスタムフィールドにもコンテンツを書かない方がよい

「カスタムフィールドを使えばテンプレートファイルを編集しなくてもコンテンツを管理できる」と考える人もいるかもしれません。しかし、カスタムフィールドにコンテンツを入れるのも、長期的な運用を考えるとおすすめできません。

カスタムフィールドは本来、追加のメタ情報(補足データ)を管理するための機能であり、メインコンテンツを入れるためのものではありません。そのため、以下のような問題が生じます。

  • 次のテーマもカスタムフィールド前提で作らなければならなくなる → ずっと古い仕様に縛られる。
  • WordPressの進化に追従しづらくなる → ブロックエディターなどの新機能が活用できない。
  • データベース負荷が増える → カスタムフィールドはpostmetaテーブルに保存されるため、データが増えるとパフォーマンスが低下する。

7. ブロックエディターを使うのがベストな選択肢

現在のWordPressでは、ブロックエディター(Gutenberg)を使うのが最も合理的な選択です。ブロックエディターを利用すれば、the_content()で呼び出すだけで適切にコンテンツが表示される仕組みになっており、効率的に管理できます。

ブロックエディターを活用するメリット

  • 運営担当者が簡単に編集できる → 直感的な操作でコンテンツを変更できる。
  • レイアウトの調整がしやすい → デザイン変更が簡単。
  • 表示速度の最適化がしやすい → ブロックエディターは表示速度も考慮して作られている。
  • プラグインとの互換性が高い → 最新のプラグインはブロックエディター前提で作られているものが多い。

まとめ

コンテンツは適切な場所に保存し、管理しやすい構造にしよう

WordPressを正しく運用するためには、テンプレートファイルにコンテンツを書かないことが重要です。テンプレートはあくまでデザイン・レイアウトを制御するものであり、コンテンツはデータベースに保存されるべきものです。

また、カスタムフィールドに頼らず、ブロックエディターを使うことで、より柔軟で効率的な管理が可能になります。長期的に運用しやすいサイトを作るためにも、正しい方法でWordPressを活用していきましょう。

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